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Saturday, December 11, 2010

ご飯を炊くエネルギー その11 木

人類最大の発明であり、猿から人間へと進化する武器となった、焚き火。最も原始的な燃料である。

森の中で拾い集めた薪に火をつけて、ビール片手に焚き火をゆっくりと我が子のように慈しみながら育てていると、飽きることなく眠くなるまで何時間でも眺めてしまう。焚き火がもたらす安心感は絶大であり、たった一人でカナダ北西部の原野にある川を下っていると、まず夕方上陸して真っ先にすることは、特に暖が必要なほど冷え込んでいなくても薪を集めて焚き火を作ることであり、赤い炎を見るだけで抗うすべのない大自然から受ける底知れぬ不安感から開放される。このDNAに組み込まれているとしか思えない万人共通の感覚は、初期人類から始まった古い記憶であるに違いない。

焚き火でご飯を炊くのはとても難しい。家庭のガスコンロでもよいからご飯を鍋で炊いた経験のある人は分かると思うが、美味しく炊くには微妙な火加減とタイミングが命である。しかし焚き火ではそれを上手にコントロール出来ない。古い民家のように薪を燃やしてご飯を炊くための大きなかまどと十分に乾かした薪があればよいが、屋外の吹きっさらしだと風と湿った薪のおかげで、弱火を作り出すのは至難の業である。焚き火を一気に大量に燃やすと火が消えたときに赤々と燃えた炭が沢山できるので、その燠火の上に鍋を載せ、上手に炭の量で火加減をするなどの技が必要だ。

したがって本来焚き火でご飯を炊くには大量の薪が必要である。しかし一工夫してかまどのように風や熱を遮断する壁をレンガなどで作り、小さな炎で弱火を維持できる細い焚木が大量にあれば、ガスには及ばないが熱効率のよい炊き方が出来るかもしれない。そのような状態、すなわち燃料を燃やした熱が鍋に伝わる効率がだいたいガスと薪で同じであるとして、いったい15グラムの薪で何合のご飯が炊けるのだろうか?

木がもつ重量あたりの熱量は含まれる水分量によって変わり、もちろん乾燥している方が熱量は高い。日本は雨が多いので薪を拾っても湿っていることが多くなかなか火がつかないが、カナダに行くと乾燥気味で拾ってきた流木にばかみたいに簡単に火がつく。焚き火の経験が少なくても容易に火が着くのではないかと思うほどで、現に大規模な森林火災が非常に多い。水分45パーセントの木材チップがもつ熱量は約2,000キロカロリーなので、15グラムの薪では0.2合のご飯が炊けることになる。


再生可能エネルギーの1つであるバイオマスエネルギーの木材は、小規模な発電や暖房用などとして今後注目を集めていくだろう。15グラムの灯油でご飯が1合炊けるが、15gの木でご飯が0.2合だから、灯油と比較してもそんなに分は悪くない。木材ペレットならば拾ってきた薪より乾燥しているので、もう少し多くのご飯が炊ける。僕もいつかは薪ストーブで暖が取れる家に住みたいものだ。

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